CDS市場の警告

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CDS市場の警告

日米欧の財政危機の影響によるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の順位が大きく変化し始めている。CDS市場では、国債(国の信用力)の順位が米国からドイツに入れ替わり、日本も中国に抜かれた。新興国などを中心に順位が上昇し、先進国は新興国よりも信用力が高いとの金融市場の常識が崩れつつある。

 

まず、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の紹介であるが、債券等のデフォルト(債務不履行)リスクを取引する一種の保険商品である。買い手は売り手に保証料を支払い、債券発行体がデフォルトした場合に、売り手から損失相当額を受け取る仕組みである。取引期間は5年が中心で、保証料率は状況に合わせ常に変動している。発行体の信用力が高いほど、保証料は低くなる。国の信用力の指標として注目度は高まっているが、市場規模が小さく数値がぶれやすいという商品である。CDS市場では、先進国は1%未満が当たり前とされているが、イタリア国債の保証料は1.72%まで上昇した。先週の欧州市場で、ギリシャ財政危機の波及懸念から政治リスクを抱えるイタリア国債や銀行株が急落し、CDS市場でもイタリアの信用力が南アフリカ共和国やブラジルを大幅に下回っている。保証料率の危険ラインは5%となるが、もしイタリアがこの水準を超えれば、ユーロ圏への危機感は高まりユーロは売られるはずである。

 

米国の信用低下は、リーマン・ショック後の景気刺激策による財政悪化を原因に、足元でも連邦債務上限引き上げ交渉の最終期限を8月2日に控え、難航していることが指摘されている。日本への評価に対しても、信用力は中国に見劣りする。 一方のドイツでは、輸出主導の景気拡大が続いており、財政赤字の国内総生産(GDP)比は3%程度と問題ない。財政状況の善し悪しが、信用力の逆転に表れている。

 

CDS市場は、格付け会社の格付けとともに、国の信用力を確認するため重要度を増しており、金融市場への財政健全化を早急に求める警告を発しているのである。

 

主要国の信用力順位(クレジット・デフォルト・スワップ保証料が低い順)

順位(前年) 国名 6月末の保証料(%)
1(3) ドイツ 0.41
2(1) 米国 0.49
3(2) カナダ 0.49
4(4) オーストラリア 0.58
5(6) 英国 0.61
6(7) フランス 0.80
8(9) 日本 0.91
9(5) サウジアラビア 0.95
10(10) 韓国 1.02
12(12) ブラジル 1.10
15(17) ロシア 1.41
16(14) イタリア 1.72
- スペイン 3.22
- ポルトガル 11.69
- ギリシャ 25.98

※スペイン、ポルトガル、ギリシャは7月14日の5年物を参考

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クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、債券のデフォルトリスクを取引する保険商品

 

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